
今月の新作
リターンダッシュ時において、敵がネット際に打ってきたボールを本来ならローボレーで切り返すところを、両手でラケットのグリップを持ち、あえて体の足元正面でバレーボールのレシーブのように受け直角真上に打ち上げる技。
真上に打ち上げることから当然ボールは自らのコートに落ちてくるので相手のポイントとなってしまう。しかし、まるでテニスコート上に上がる花火のようなので観衆および他のプレイヤーに大いなる感動を与えることができる。蛇足ながら、この技の変則技としてネットの高さまで上がらない小さなものを「線香花火」という。
ネット際に落ちたボールを2人で取りにいって、勢い余って衝突し、2人共に何が起こったのか判らずに、バランスを保とうとユサユサとしていている様子がまるで紙相撲をしているかのように見えて名付けられた。
何故がボールはきちんと相手側に返っているのが誠に不思議である。
本来は相手前衛の体を直撃する強烈なボディーショットのこと。特に頭部にぶち当てるのが大技とされている。最近ではサーバーや後衛が味方の前衛にサーブ、ストロークをぶつけることも指すようになった。
ウィリアムテルとは本来、頭をリンゴに見立てて、後頭部または側頭部にボールが直撃することを言います。よって広義に解釈すれば前衛の体にヒットすればこの技は決まったことになるのですが、狭義の解釈では頭にヒットして初めて技が決まったこととなります。ボディでは失敗となります。
またウィリアムテルはひとつのロールプレイングであり、テル役、リンゴ役、観衆役をそれぞれが演じなければなりません。この技が決まった時、観衆役は驚愕し、また感銘しなければなりません。リンゴ役はビックリ仰天です。この2役は比較的自然に演じられるのですが、一番難しい役はやはりテル役です。技術的にも難易度が高いだけでなく演技力もかなり要求されます。技が決まった瞬間当然のようにクールにふるまい、
「だいじょうぶですか?」とリンゴ役に軽く声をかけましょう!間違っても、あわてふためいてリンゴ役のところに走っていったりしてはいけません。また、ヤッターとばかりに喜んだりしてもいけません。(こんな人はいないと思いますが...)みなさんは正しく演じられてますか?
イン/アウトに係わらず、飛んでくる全てのボールにラケットを出すプレーヤーのことを「蛙」という。目前の飛来物に条件反射的に舌を伸ばしてしまう蛙の習性に酷似していることからこの名が付けられた。
飛びついたボールでポイントが取れればまだしも、明らかなアウトボールで「クルミ割り人形」などを舞い続けると、ダブルスのパートナーを失うことになる。
中でも、見送れば後方のフェンスに突き刺さりそうなボールに対し、両脚を開いたまま跳躍してラケットを伸ばす姿は「蛙」そのもので、芭蕉の「アウト球 蛙飛びつく 超ラッキー!」一茶の「ヘボ蛙 触るなウォッチだ こん畜生」など敵味方の心情を詠った名句が数多く残されている。
ポーチに出たのはよいが、ボールに触わることができずカッと目を見開いたまま立ち竦んでいる姿が、歌舞伎役者の大見得のポーズに似ていることから名付けられた。我に戻った頃には後衛とのフォーメーションが大崩れしていて、ポイントを失う確率大である。
相手側に絶好のスマッシュボールを上げてしまったのち、その標的にされては一大事と、背中を丸めラケットを拝み持ちしながら一目散に後ずさりする様をいう。
身軽な者なら、そのまま打ち込まれたスマッシュに対応すべく態勢を整えるが、肥満体質のプレーヤーが無理にこれを行うと途中で足がもつれてバランスを崩すことは必至で、最悪の場合もんどりうってそのまま「眠れる森の美女」に突入してしまうことがあるので充分な注意が必要である。
スイートスポットを外したり、スピンのかけ損ねなどで生じるへなちょこボールで相手の虚を突きポイントを掠め取る怪我の功名技。通常はネットインの時と同様、ラケットを軽く上げて相手方に会釈するのが礼儀である。希に「見よ!時間差攻撃〜」などと宣って得意満面な者がいるが、自ら初心者であることを暴露しているようなもので皆の失笑を買う。
広義には、スマッシュを空振りした者が慌てて二次攻撃に移る場合もこれに含めが、二次攻撃までも空振りすると史上最強の「一人時間差ダブル真空斬り」が完成する。
数あるミスショットの中でも究極奥義と言われている空振り技。追い詰められたギリギリの状況で出る空振り技「白鳥の湖」と比べ、余裕も充分あり自信満々で振り出されたラケットが空を斬る様は、もはやミスを超越して見る者に清々しささえ与える。
演者は必ず訝しげにラケット面を覗き込むが、決してガットが消えて無くなったりしているわけではないので安心召されい。なお、サーブやスマッシュにおける真空斬りは「真空からたけ割り」とも呼ばれている。
絶好のチャンスボールをボレーミスまたはスマッシュミスしてネットに突き刺すという、味方にとってはなんとも腹立たしい踊り技。ボールをクルミに見立ててこの名が付けられた。但し、ミスショットながらも相手コートに入るものは「ガシャボレー」と呼ばれ、ポイントが決まった場合は珍重される。
敵のコートより自陣のコートにクロスに打たれたボールに対し、ジャンピングポーチに出てそのままラケットではなく頭で相手コートに叩き込む技。スピードと豪快さから見る者に感動を与える難易度の非常に高い幻の技。サッカーの場合は自軍の得点となるが、テニスの場合は残念ながら相手側のポイントとなってしまう難易度の高い割に報われない技である。
ストロークやロブなどで相手をベースラインに釘付けにして、まさにこの場面しかない!というタイミングで繰り出されたドロップショットが、無惨にもネットを超えなかった状態をドロップショックという。
絶対的な優位の中、数多くのオプションからわざわざ相手をいたぶるために選んだショットだけに、その落胆ぶりは計り知れないものがある。
前後左右に振り回された挙げ句、よろめきながら空振りをすという、悲しくもみっともない踊り技。空振りしながら体を回転させている様子が、湖に1羽残された白鳥が寂しげに舞う姿に似ているところからこう呼ばれている。大抵の場合、演者は素振りをしたりして誤魔化そうとする。
ボールを追う際に、足をもつらせてコート上に這いつくばってしまうという恥ずかしい踊り技。敵味方が心配する中、余程のことがない限り演者は顔を赤らめながら「大丈夫」と言って立ち上がることになる。
巨大なハサミを持つ海老のことではなく、試合で矢鱈めったらロブを上げまくるプレーヤーのことを指す。「スター」と称されているからには並のロブ使いでないことは明らかで、タイミング/高さ/回転いずれをとっても一級品となっており、熟女プレーヤーの専売特許である「羽子板ロブ」とは一線を画している。
特に、視界から消えるほど高く舞い上げられたロブは「ケンタ(ッキー)・フライド・ロブ」と呼ばれ皆から恐れられている。